日米貿易協定をわかりやすく解説!日本の大敗?我々への影響は?

本日、9月26日に最終合意となった日米貿易協定。今回の交渉はスピード合意となり、安倍首相は双方にとってウィンウィンの関係となったと発表しています。


ところが、安倍首相の発表とは全く逆の意見も目立っており今回の日米貿易協定の合意は日本の大敗だという見方も存在しています。

どの様な事なのか見ていきましょう!



日米貿易協定の内容をわかりやすく解説

まずは今回合意された日米貿易協定について解説していきたいと思います。争点となったのは貿易で発生する関税についてです。

関税とは海外から物資を輸入する時に発生する税金であり、輸入国側に支払いの義務が生じます。なぜこの様な税金制度が設けられているのかと言いますと、自国の国内産業を保護するためです。


今回の日米貿易協定の争点となっていた牛肉を例にして考えてみましょう。

仮に国産の牛肉が400円で売られていたとしましょう。この市場にアメリカから輸入された牛肉が300円で売りに出されていたら多くの方は安いアメリカ産の牛肉を購入しますよね。その結果、国産の牛肉は売れずに畜産を行っている人達にとっては大打撃となってしまいます。

この様な状態を避けるために設けらているのが関税という制度であり、仮にアメリカ産の牛肉に30%という関税を課したとすると価格は390円となり、国産の牛肉と大きな差はなくなります。その為、国産の牛肉が売れ残るという状況を回避することに繋がるのです。

ところが逆の視点から見ると、関税が高すぎるという事はアメリカ産の牛肉が売れづらく、今度は貿易相手の畜産業者から文句が出てしまいます。その為、今回の日米貿易協定交渉時にトランプ大統領は日本がかける関税の低減を要求したわけです。


実はこの交渉の背景には次期大統領選を視野に入れているとも言われています。次期大統領選に立候補することがきまっているトランプ大統領は、関税を下げる事でアメリカの農家や畜産業にアピールを行い選挙を有利に運ぶことを考えているのです。

2020年に行われる大統領選を考え、今回、日米貿易協定を早期に合意し国民へのアピールとしたわけなんです。


トランプ大統領の要求を受け、日本は牛肉や豚肉、ワイン、バターなどの関税をTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で合意している値まで段階的に下げる事に合意しました。一方、日本はアメリカに自動車への追加関税を行わないことを要求していましたが「現時点で日本車に追加関税を課す意図はない」と表明しただけであり、確約には至っていません。

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/special/tradeagreement-us/

今回の日米貿易協定はアメリカの要求は通ったのですが、日本の要望はうやむやになってしまったという感じなんです。



日米貿易協定は日本の大敗?

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/special/tradeagreement-us/

先程お話したとおり、合意に至った日米貿易協定ですが、安倍首相はウィンウィンの関係であると発表していました。しかし、ネット上には「日本の大敗」という意見が頻出しています。

実は日本はトランプ大統領い関税引き下げを提案された時に、「TPPで決まっている値までしか譲歩することが出来ない」と共同声明に書き込んでいます。

ちなみにTPPとは環太平洋パートナーシップ協定の略称であり、貿易の障害をすべて除去しようとする自由貿易協定の事です。このTPPに加盟している日本は同じ加盟国に対しての関税を段階的に下げることとなっています。この事情から、今回の日米貿易協定でも同様の値が許容範囲であると発表した訳なんです。

ところが、日米貿易協定の交渉時から「譲歩するのはTPPの水準まで」と語ってしまっため、アメリカからは「じゃあ、TPPの水準までならいいんだな?」と判断される事になってしまいました。

また、本来関税交渉はギブアンドテイクが原則であり、どちらか一方のみが譲歩するということは有り得ないのですが日本は関税の値を下げたのに自動車の追加関税に関してはうやむやな状態です。その結果、アメリカの要望だけが通った形となり、日本は交渉に大敗したと言われているんです。

しかし、日本としてはトランプ大統領からこれ以上無茶な要求を受けずに、許容出来る範囲で交渉がまとまったと捉えることも出来るため、ウィンウィンの関係とも考えることが出来るんです。

国を預かる立場から考えると妥協できる範囲での交渉だったのですが、一般市民から見ると大敗と映ったわけですね!

日米貿易協定での我々への影響は?

さて、今回の日米貿易協定で我々にはどの様な影響があるのでしょうか?

実は日米貿易協定が合意したことで、消費者となる一般市民には牛肉や豚肉をより低価格で購入できるというメリットが発生します。先程お話したとおり、日米貿易協定により関税が段階的に引き下げられるため、アメリカ産の牛肉や豚肉はより低価格で市場に出回ることに繋がるんです。


一見すると良いことのように感じますが、この様な状態になると畜産業などを行っている方たちにとっては大打撃になってしまいます!アメリカ産の食料品が低価格で出回ってしまうと、国産の物はなかなか売れずに残ってしまいますよね。

本来ならこの様な状況を防ぐために設けられていた関税の制度が全く約に立たなくなってしまうんです。今回、日米貿易協定が合意されたことで畜産業者にとっては年々非常に不利な状況に追い込まれてしまう事になってしまったんです。



日米貿易協定についてまとめると

今回は日米貿易協定について色々と見てきました。

スピード合意となった日米貿易協定ですが、多くの方は今回の交渉は日本の大敗だったと感じているようです。確かにアメリカの要望は通っていますが、日本の要求がうやむやになっている事を考えるとその様に感じるのも頷けます。

また、消費者側にはメリットが発生しますが、生産者側はこれから年々厳しい状態に追い込まれていくことになってしまいました。生産者側から考えると日米貿易協定はとても痛手となってしまいましたね。今後、生産者側にも何らかの措置が取られると良いのですが、果たしてどうなるのでしょうか?

まだまだ波乱がありそうな日米関係!今後どの様な展開へと発展していくのか注目されることは間違いないですね!

キャッチ画像引用:https://www3.nhk.or.jp/news/special/tradeagreement-us/